さて、A君、刑事の執拗な取り調べ、
「Aさん、いっしょにMをやっつけようや、
あいつが一番悪いいんやろ?」
「思い出せんかったら、絞りだせ」
というセリフに結局折れてしまった。

A君からすれば自分が暴力団組長Mに関する
なんらかの有罪に持ち込む供述をしないと
自分がMをかばっているようにも思われるのもしゃくだし
かつ、それが正義だと思うようになった。

そして、結局、暴力団組長と
「生徒が休んだ場合、出席をごまかすこともできる」
という会話をした、と供述してしまった。

しかしA君、その後も逡巡する。
「事実でもないのに、あんな供述していいのか?」と。

悩んだ末に
検事に対して素直に申し伝えた。
「いや、検事さん、久留米のファミレスでMと会った時には
久留米と嬉野で教室を開催することしか話さなかった」
「そこで出欠をごまかすという相談はなかった」と。

実際、A君は教室開催後、
生徒の出席があまりに悪いので
困りきって教室責任者に
「遅刻は大目に見るが、欠席をごまかすことはできない」とメールで送っていたからだ。
このメールが後に裁判で重要な証拠となる。

しかし、取り調べの検事、
顔を真っ青にして
「いや、Aさん、いまさらそういっても困る」
「そんなこといわれたら、
いままでの供述のすべてがおかしくなるじゃないですか」

「いやね、Aさん、
Aさんが暴力団の仲間とは全く違う流れにっていることはわかってるんですよ」
「Aさんが集めた生徒の出席はいいし、
かつ、あなたが生徒に対して『欠席をごまかしてもいい』という発言を一切していないこともわかっている」

「Aさんと暴力団の組織的な動きとは全く違うので
それを同じにすることはない」

ここまでいわれると
(じゃあ、組長のMを有罪に持ち込む証言をしたら求刑は軽くなるのかな?)
とA君は思ってしまった。
ところがのちに検事はとんでもない求刑をするのだが・・

A君、連日8時間に及ぶ取り調べ、40日間の生き地獄を経て
拘置所に移送になった。

しかし、A君が移送された拘置所は
まさしく幽霊が出ることで有名な福岡拘置所、
そのなかでも最悪のC棟3階であったのだ

To be continued・・・・

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