佐賀県白石町。農業のまちです。
白石町福富にある「道の駅しろいし」は有明海沿岸道路の福富インターを降りてすぐにあり、平日休日を問わず、多くの来店客でにぎわっています。
そこでは、地元白石町で採れる新鮮な野菜を購入することができます。
れんこん、いちご、とまと、レタス、ブロッコリー、カリフラワー、たまねぎ、長ネギなど。
キノコ類やもやしを除けば日常生活で食するほぼすべての野菜を買うことができます。
今では農業の町として知られる白石町も、古くは海を生活の基盤とする海人族の町だったようです。
白石町龍王崎に鎮座する「海童神社」。
そこに祀られてある祭神は豊玉姫命、豊玉彦命、埴安姫命。豊玉姫は海神(龍神)の娘です。
「龍王崎」という地名からもわかるように、おそらくここは古くは有明海を眼前にみる地域だったのでしょう。
また、この「龍王崎」には古墳もあり、つまり、海を眼前にしたこの地域は、動物性たんぱく質を得るために、有明海の魚介類を獲り、食料を得ていた海人族の地域であったと考えられ、「海童神社」は豊漁と海の安全を祈願する神社であったと考えられます。
「海童」と名付けられた神社は有明海沿岸地域によくある神社(熊本にもあります)で「海童」と書いて「わたつみ」と読むとこともあるようです。
「わたつみ」とはおそらく元々は「海人津見(あまつみ)」であったでしょう。
「あまつみ」が「わたづみ」に転訛した、と考えると、「あづみ」もまた「あまつみ」からきているものと考えられます。
そういえば長野県安曇野市。ここは九州の志賀島を中心とした海人族が移り住んだといわれています。
「あまつみ」の人たちが移り住んでいたことから「あずみ」「安曇野」になったのでしょう。
実際、安曇野市内にある「穂高神社」の祭神は穂高見命(ホタカミノミコト)、綿津見命(ワタツミノミコト)と瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)であり、綿津見命(ワタツミノミコト)は海の神様です。
また、「穂高神社」で催される御船祭は船を模し山車をぶつけ合う祭です。
こうしたことからも海人族が海上交通の利便性を利用して広範囲にわかる生活圏を築いていたことがわかります。
神社の由来はその土地にまつわる古くからの記憶を今につたえているのでしょう。
身近な神社を調べてみるのもいいかもしれません。