鍋島直正公がイギリスから輸入されたアームストロング砲を見本に日本初のアームストロング砲を製造したことは有名な話。
ただ、どうもこの佐賀藩が開発製造したアームストロング砲は当時世界最強だったようです。
佐賀藩は砲身に鉄ではなく、日本刀に使われる鋼を使ったようです。
鉄と鋼の違いは炭素の含有率の違いで、含有率が低い鋼は粘性が高く、強度が高いのです。
砲身の中をらせんでくりぬき、砲弾を回転させ、飛距離を伸ばす、というのがアームストロング砲の特徴ですが、その砲身に佐賀藩は鋼を使うことで、強度を高め、そのため、砲弾を発射させる火薬の量を増やすことで、さらに飛距離を伸ばしたそうです。
これは、イギリス製のアームストロング砲よりも1.5倍の飛距離があったそうで、さらにいえば、イギリス製が1分間に3発が限度だったものを佐賀藩は1分間に5発発射させることに成功、これだけでも世界最強です。
しかも、砲弾に散弾を内包させ、着弾時に散弾が飛び散り、破壊力も増したそうです。
イギリス製の砲弾が単純に火薬の爆発による爆風で破壊するのに比べ、佐賀藩のアームストロング砲はちょうど打ち上げ花火の火花の飛散の仕組みを応用し、散弾が均等に散らばるように設計したようです。
つまり、佐賀藩のアームストロング砲は飛距離、1分間あたりの発射数、着弾時の破壊力、それぞれ世界最強だったのです。