1つの事件での逮捕による拘留期間は20日間である。
その期間が過ぎて、さらに逮捕されると
(このことを再逮という)
さらに20日間拘留される。
A君は嬉野の事件で逮捕され、
さらに久留米の事件で再逮された。
つまりA君は40日間拘留され、
連日、法定の上限である8時間の取り調べを連日受けた。
取り調べ担当者は暴力団専門の刑事である。

A君は組長であるMとは1回しかあっていなかった。
刑事はA君を追い詰めていった。
「Mは生徒が来なかったらどうすっとや?と聞いてきたやろ?」
「生徒が来ない場合のリスクを聞いてきたやろ?」

刑事はどうしてもA君から
Mが生徒が来なかった場合の対応を聞いてきた、
という供述をとりたかったのだ。

しかし、そもそもA君がMとあったその日は
嬉野と久留米で教室を開校しようということしか決まっていなかった。

この段階でのリスクとは
生徒が集まらない場合のリスクであり、
生徒が出席しない場合のリスクは考えない。
そもそも刑事の言うリスクの意味が的外れなのである。

A君は懸命に説明した。
「いや、刑事さん
ここでいうリスクは生徒が来ない場合のリスクです。
この段階で生徒が出席しないことなど考えられない」
なにしろ生徒にとっては受講するだけで生活給付金が得られるのである。
この段階で欠席など考えられなかった。
いくら説明しても刑事は理解しない。
というより、
Mが生徒が欠席した場合の対応を聞いてきたことにしなければ
Mを有罪にもちこめなかったのである。

刑事はさらにA君を追い詰めた。

「Aさん、一番悪いのはMやろ?
一緒にあいつをやっつようや」

刑事はさらにとどめのセリフを吐いた。

「Aさん、思い出せんやったら
絞りだしてでも出せ!」

A君はこの刑事のセリフを
「Mを有罪に持ち込む供述を嘘でもいいからしろ」
という意味にとらえた。
A君は逡巡した。

「刑事さん、少し考えさせてください」
A君は昼食時間をとる間、考え込んだ。

ヤクザが無罪になるのはおかしい。
誰も供述しないのなら、
自分が差し違えても
Mを有罪に持ち込むべきだ。

A君は連日の取り調べで
ほとんど洗脳状態になっていた。
そしてA君は午後の取り調べで
このように供述した。

「Mが生徒が出席しない場合の対応を聞いてきたので
私は、出欠をごまかすこともできますよ、と答えました」

その日、警察の取調室に早速、検事がやってきた。
つまり、「しめた!」と思ったのである。
そして検事もその供述書を作成し
A君はそれに署名した。

まあ、こうやって冤罪はつくられていくんですね
なにしろ刑事自身もいってますから
「供述書はおまえの言う通りには書かない」と(笑)

A君はとうとう警察と検察のシナリオに
そった供述をすることに心は折れてしまった。
しかし、その後も
A君は嘘の供述したことについて
悩み続けることになる。

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