神道の研究者である、著者戸矢氏が
一貫して追い求めているのは
つきるところ、
「日本人の精神文化の源流は何か」
ということだろう。

この著書「三種の神器」は
戸矢氏のそうした研究テーマについて
天皇の地位を根拠づけるものとしての
「三種の神器」(玉・鏡・剣)を通して
日本人の精神文化を探っていく。

天皇は世界的に見ても唯一無二の
祭祀と統治をつかさどる国家君主であった。
現在は政治的な統治からは切り離され、
祭祀が中心となっているものの
(実際にはその祭祀も少なくなっているらしいが)
このような国家君主は日本の天皇だけである。

その天皇の地位を権威づける
三種の神器は何を意味するのか。

そもそも「三種の神器」は
どういう経緯でつくられたのか
またなぜそれが天皇の地位を保証するものとして
権威づけられたのか、
その形状はいかなるものか、
これらの謎について
戸矢氏は丹念に検証と推論を重ねていく。

日本書紀、古事記、風土記のみならず
弥生時代からの考古学なども踏まえながら
三種の神器の成立過程を検証していくなかで
戸矢氏は自身の神道という視点に立脚しながら
日本人の精神文化の源流とその構造を
明らかにしていく。

そして
「三種の神器」の成立過程、
その形状を明らかにしながら、
「三種の神器」が象徴する意味を明示する。

さて、その「三種の神器」が象徴する意味とは何か?
それは実にシンプルでいつの世でも求められる価値である。
それゆえ、「三種の神器」は天皇が引き継がなければならないものであろう。

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