A君は詐欺の容疑で逮捕された。
佐賀バルーンフェスティバル開催の前日であった。
翌日の新聞報道では、
久留米暴力団の二次団体組長の名前Mと
教室責任者2名及び生徒、
そしてA君の名前が掲載された。

暴力団が国の助成金目当てに
詐欺をしたことで全国ニュースとなった。

久留米の教室責任者のHはその組員であった。
嬉野教室の責任者はすでに組員ではなかっただ
かつて別の組の所属していた人物であった。
そしてその後明らかになったことだが
久留米、嬉野のそれぞれの教室責任者は
生徒募集の際、
「出欠をごまかしてやるから
名前だけでも応募しとかんね。」
といって誘っていたのである。

A君はそういう背景を全く知らなかった。
そもそも暴力団組長Mにあったのも
嬉野に住む知人Y君から
「久留米の地元有力者が
開校したいっている」といわれて会ったのである。

まあ、確かに地元の「有力者」ではある。
対立する組織があるとはいえ
地元最強の暴力団であるからだ。

逮捕されたA君、
その取り調べに当たったのは
特別組織暴力捜査班の係長だった。
通称「トクボウ」
組織暴力のチームの中でも選りすぐりのチームであり、
そのなかでも現場では
最も力のある係長である。

A君の地獄の取り調べが始まった。

To be continued・・・・

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