国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)が3I/ATLASの監視を始めた
国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)とは、地球近傍天体(NEO)衝突の脅威に対する国際的な対応に関する勧告を実施することを目的として設立された国際組織です。
このIAWNが11月に入って、一斉に3I/ATLASの監視を始めました。
これで世界中の観測機器が3I/ATLASの位置情報などの観測を始めることになります。
IAWNの発表によると、今回の3I/ATLASの観測については「国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)は、2025年11月27日から2026年1月27日まで、彗星観測による天体測定精度の向上に向けた手法を紹介する彗星観測キャンペーンを実施することを発表します。このキャンペーンは、3I/ATLAS彗星(C/2025 N1)を観測対象とし、観測コミュニティが正確な天体測定結果を得る能力を鍛えることを目指します。」
とのことです。
しかし、このタイミングはいろんな憶測を呼びますが、まず思い出したのはハーバード大学のアヴィ・ローブ教授が発表した論文です。
なぜか、この論文、ネット上では削除されていますが・・・
論文の中でアヴィ・ローブ教授の指摘は2つあり、ひとつは「3I/ATLASは太陽の熱(5700℃)よりも高い温度で進んでおり、これは自然の彗星ではありえない」ということ。
ふたつめはNASAの研究員が「3I/ATLASは自力の推進力をもっている」と指摘したということ。
ひとつめの指摘「3I/ATLASは太陽の熱(5700℃)よりも高い温度」ということですが、この5700℃というのがポイントです。
太陽の表面からの層については主に「光球」「彩層」「遷移層」「コロナ層」の4層に分類されます。
「光球」の温度帯は約5700℃
「彩層」は1万℃
「遷移層」は1万℃から100万℃
「コロナ層」は100万℃
アヴィ・ローブ教授の指摘はもっとも太陽の表面に近い「光球」の温度帯にあたります。
この「光球」の帯域は20kmです。
つまりアヴィ・ローブ教授の指摘は3I/ATLASが太陽の表面に最も近い「光球」の帯域を進んでいったことを示しているのです。
しかも100万℃の「コロナ対層」の帯域を突き抜けて、です。
そもそも、NASAが公表していた9月の3I/ATLASの軌道シミュレーションでは太陽に最接近した際の距離は地球と太陽との距離の約1.3倍でしたが、実際には太陽の表面から20kmの帯域にある「光球」を通過した可能性が高いのです。
この状況下で、地球近傍天体(NEO)衝突の脅威に対応する「国際小惑星警報ネットワーク(IAWN)」が3I/ATLASの彗星観測を建前に一斉に監視体制に入ったわけです。
3I/ATLASが地球に最接近するのは12月19日と予想されていますが、その最接近時における地球との距離はそのくらいになるのか、太陽に最接近した距離からすると、地表から100km以内に入ってくる可能性もあります。
仮に、そうだとして、3I/ATLASの質量は推計で300億トン、地球の質量とこの3I/ATLASの質量の積と距離の2乗に反比例して引力が発生しますので、その影響による海面や地殻の上昇、それに伴うプレート変動などが予想されます。
IAWNがどこまで正確な情報を公表するのか、NASAでさえ、3I/ATLASの現在位置を公表していませんので、今後、どのような情報が公表されるのか、注視です。




