秋の空

~秋の空~

見上げれば

 秋色染まる 空のスクリーン
映し出される 時のうつろひ

秋ほど、時の移ろいを
感じさせる季節はないと思う。
紅く染まる樹木。
オレンジとブルーの

見事な空のグラデーション。

そうした繊細な色合いの変化は
時のうつろいを

映し出しているようにもみえる。

だからこそ、
人は晩秋にこれまでの自分を、
そして、自分が歩んだ時の移り変わりを
見つめなおすのだろう。

「夏の森」より①

君はどこにいる?
この空の下のどこかにいるのかな

ラジオの電波みたいに
見えないエネルギーが
飛び交っている

僕が思っていることも
どこかに飛んでいくだろうか


空に吸い込まれて
薄れて消える

あるいは
いつか出会う君のもとへ

こんな夕暮れ時
フイにあたたかく強い気持ちになったとしたら
それは僕の思いが君に届いた証拠

~「夏の森」(銀色夏生)より①~