「夏の森」より①

君はどこにいる?
この空の下のどこかにいるのかな

ラジオの電波みたいに
見えないエネルギーが
飛び交っている

僕が思っていることも
どこかに飛んでいくだろうか


空に吸い込まれて
薄れて消える

あるいは
いつか出会う君のもとへ

こんな夕暮れ時
フイにあたたかく強い気持ちになったとしたら
それは僕の思いが君に届いた証拠

~「夏の森」(銀色夏生)より①~

他愛ない日々に恋歌を

他愛ない日々に
言葉を添えたかった。

かつて、1日、人と話せない日が
6か月続いたことがあった。

愛する人に「愛している」といえるだけでも人は幸福なのだ。

気障だと思われようが、
それが真実だ。

日々はいつしか過ぎていく。

だから、
そうした他愛ない日々への
愛情を言葉で表現したかった。

それが恋歌だと思う。

妻に、子どもたちに、
かつて愛した人に、
幼なじみに、
本当はもっと親しくなれたはずなのに
なぜか、そうはなれなかった人たちに・・

愛していると、と。
どれほどの言葉を駆使しようとも
伝えたいことはそれだけだ。

他愛ない日々に
香りのある言葉を添えよう。
愛する人に
恋歌を贈ろう。

紅茶にシナモンの甘い香りを添えるように。