実は・・・実話⑥-1

佐賀県内に住むA君。
平成23年当時、パソコン教室の講師を務めていた。
厚労省が実施していた就労支援事業の一環で
就労を希望する人たちに職業スキルをつけさせ
また、受講中、生徒は一定の要件を満たせば、
生活給付金を受給できるという制度だった。

そしたら、嬉野市に住むY君から
「Aさん、久留米市のある有力者で
パソコン教室を新たに開きたい、という人がいるんだけど
会いませんか?」
と誘いを受けた。

そこで、A君、Y君の紹介で久留米でM兄弟とあった。
Y君の紹介ではMさんは「久留米の地元有力者」
ちょっと雰囲気が
「ちょいワル」風だったのが気になったが
久留米の中小企業経営者には
こういう雰囲気の人も多いので
A君は特に気にせず
M兄弟に厚労の就労支援事業について
説明した。
そこに同席していたM兄弟の部下と思える2人が
久留米と嬉野でファイナンシャルプランナーとパソコンを教える就労支援の教室を開くことで話がまとまった。
時は平成22年の8月、暑い日の昼下がりだった。

to be continued・・・・

実は・・・実話④

【実は・・・実話④】

A君は妻と娘二人をもつ普通のサラリーマンだった。
一部上場の飲食サービス業のエリアマネージャーを務めていた。

順調に見えたA君にも夫婦生活に陰りがみえた。

奥さんが女性を愛するようになったのだ。
つまりレズである。
奥さんは女性を愛するようになり、
必然的にA君との性交渉はなくなった。

シャレにしてはいかんが、
レズになったらレスになったという・・・

もともとA君、高校時代はファンクラブもあったくらいもてていた。
それが、奥さんから相手にされなくなったのだ。
男女であろうと性的な部分を否定されると自尊心が傷つく。

レス状態に耐えきれなくなったAくん、
こともあろうか、
女子社員寮に侵入し、
狙った女性社員に
強制わいせつにいたってしまった。

不法侵入と強制わいせつの罪で
4年の実刑。

怒り心頭の奥さん、
A君の面会では
A君を罵倒した。
何も言い返せないAくん、
涙ながすしかない。

さらに、性犯罪者の父を持つ娘のことを考え、
A君は離婚し、娘は母親の姓を名乗ることになった。
A君は家族をなくした。
ただ、来年3月の娘の高校卒業式までには出所し、
娘の卒業をみたいと願っている。

彼が出所したら会おうと思っている。

実は・・・実話⑤

福岡県内でサッカーの名門校に
サッカー部員として在籍していたA君、
高校卒業後、地元の国立大学に進学した。

教職免許を取得するため、
女子高に教育実習にいったものの
「教員は向かない」と悟り、
どういうわけか、
大学在学中にデリヘルの
風俗店経営を始めた。

経営は軌道に乗り、
本人曰く
「女の子にサービスの手ほどきを
教えているのが楽しかった」

女の子の入店時には
年齢確認を行っていた。
18歳以上であることが要件となっていた。
しかし、時に、免許証など偽造してくる子がいる。
A君は偽造に気付かず、
18歳未満の女の子を雇ってしまった。

このことが警察にばれ、
Aくんは児童福祉法違反の容疑で逮捕、
5年の実刑を受けた。
これがA君の初犯だった。
おくられた刑務所は
いじめで有名な川越少年刑務所。
食事を取り上げられるシャリアゲは日常茶飯事。
A君は散々な目にあって出所した。

出所後、A君はフランスにわたり、
外人部隊に入隊した。
そこでフランスへの永住権を取得、
また年金を得る権利も取得した。

帰国後、A君は9年間は再犯なく過ごしたが
また、躓いた。
2刑、実刑である。

さらに出所後、仕事もなく
ネットで他人の口座にハッキング、
それが発覚し、3刑目、1年半の実刑で
石川県の金沢刑務所に送致された。

A君曰く、
「もう3犯もなると、
生きたくもないし、死にたいけど
死ねないから、生きている、という感じ」
「刑務所いても、みんな
次はどうやってうまく(犯罪を)やれるか、
ということしか考えてない」

刑務所が犯罪者養成所になってしまっているのだ。

A君自身は本来、まじめなのだが、
もう人生をあきらめきっていた。
前科3犯なのでもう何をやっても無駄だと。
また、幼少時、父親からDVを受けていたらしく、
本人も自覚していたが、
精神的にも病んでいた。

A君には再三、
福岡に戻ってきたら?
と勧めたが、
地元福岡に戻る気はないらしい。

知的水準も高く、
ハッキングもできるので
その才能をいい方向に活用し、
セキュリティー関連をやらせれば
まず、間違いなく、できる能力はあるだろうに・・・

A君、刑務所に入るたびに
「反省」はしただろう。
しかし、「反省」だけでは
あまり意味がないのである。

大事なことは、
罪の病巣となっている
自分の病んだ部分を直視し、
そこに深く入り込んで、
その部分の治癒と回復、
そして再生への内的プロセスを経ることが
「立ち直り」の起点なのである。

A君は自身も認めているように
精神的に病んだままだ。

おそらく、A君は
罪の負のスパイラルから抜け出せないでいる。
それゆえ、人に対して攻撃的となる。
自分の不満を他人にぶつけたいのだ。
しかし、それでも心は満たされず、
さらなる負のスパイラルに絡み取られる。

罪の負のスパイラル。
そこからどう救われるのか。

A君に限らず、
このことが罪ある人にとっての
最大のテーマである。

ただ、負のスパイラルから抜け出すには
まずは、自身が「罪から救われたい」と
願うことが出発点である。

「罪の赦し」と「罪からの救い」

A君が福岡に戻り、
連絡さえしてくれれば・・・・。

少なくとも私は
彼さえその気になれば、
人生の再起は可能だと思っているし
たぶん、微力ながら、力になれるだろう。