「痛み」は比較できない・・・

人間の苦悩は比較できないものです。
それも、苦悩がひとりの人間の苦悩であること、
苦悩がその人の苦悩であることが、
苦悩の本質に属しているからなのです。
苦悩の「大きさ」は、
苦悩しているもの、
つまりその人しだいで決まるものなのです。
~「それでも人生にイエスという」(V・E・フランクル)~

ここでいう「苦悩」を
「痛み」と変えても主旨は通じるだろう。

いろんな人から「悩み」を聞く機会も増えた。
曰く「人間関係がやっかいで・・・」
曰く「仕事がいきづまっていて・・・」

そういう悩みを聞くたびに
「少なくともオレよりましだろっ!!」
と言いたくなるのである(笑)

仕事はマイナススタート、
人間関係は滅茶苦茶。
どう考えたって、
悩みを打ち明けてる方が
私よりもマシなのである。

とはいえ、
歯痛に悩んでいる人にとって
「複雑骨折よりマシだろ」といっても
「痛み」は「痛み」なのである。

「痛み」は比較しても無意味なのである。
特に心の痛みは。

おそらく、痛みを理解してあげることが大切なのだろう。
自慢ではないが、
私はうんざりするくらい
満身創痍である(笑)
しかし、またそれだけ
人の痛みがわかるセンサーを
持ち得ているともいえる。

悩みを打ち明ける人は
つまり「心の痛み」を理解してほしいのだ。
そこに共感してほしいのである。
「わかってほしい」のである。

ただ、もし人が
「痛み」から救われるとすれば
あるいは救われたいと願うのならば・・・
そこに「神の愛」があれば、
救われるのかもしれない。

大林宣彦監督の最新作「花筐 HANAGATAMI」と唐津

大林宣彦監督の最新作「花筐 HANAGATAMI」が
今年12月に劇場公開される。
檀一雄の純文学小説『花筐』の映画化である。

大林監督の尾道三部作はすべて観ている。
特に「ふたり」は大好きな作品。
このテーマ曲は久石譲で、
またこの曲はよかった。
しかも、この曲を大林監督が歌ってもいる。

大林監督は肺がんで
余命宣告までされながらの制作。
撮影場所はなんと唐津である。
撮影の協力した地元の人によると
大林監督は撮影中も時々、数日間
休みをとっていたらしい。
地元の人は大林監督が
大病を患っているとは知らなかったため
あとから考えると
おそらく検査治療のための
休日ではなかっただろうかと話していた。

この映画撮影は唐津市民の多くの協力に拠るそうだ。
唐津市民の寄付も製作費の一助になったらしい。
映像表現では特に鷹島が大林監督独特の映像表現で映しだされているらしい。

唐津市民の今回の大林監督の映画製作とのかかわりについて
ホームページもありますので一度ご覧ください。

ホームページは上記画像をクリックしてください。





元受刑者Hさんからの連絡

昨日、元受刑者Hさんから突然電話があった。
1年2か月の仮釈をもらい、
電話があった前日に出所したらしく、
つまり、出所した翌日に
私に連絡をいれてきたことになる。

おそらく、相当更生意欲が高いのだろう。

九州で元受刑者の
社会復帰支援活動をしていると
公言しているのは
保護司を除けば私くらいである。

その私に出所後、
私の活動内容や連絡先を調べて
早速電話をいれてきたのだから
私の活動に
自身の社会復帰の可能性を感じたのだろう。

NPO法人マザーハウスの活動や
WEB解析士としての私の仕事の話を
30分近く質問され、説明した。

まずは、ホームページの作り方を教えてほしい
とのことだったので
コンサルティングの申し込み方法等を説明した。

理解力が早く、
普通に仕事をしても十分に
できる人物であるように感じた。
妙になれなれしい口調が気になったが
まあ、3年間以上も服役していたのだから
社会生活に慣れるまでには
時間がかかるだろう。

昨年12月、
再犯防止支援推進法が施行された。
国も再犯防止のためには
元受刑者の健全な社会復帰のための
支援が必要であると考えるようになった。

元受刑者が再犯を犯す主な理由は
薬物や性犯罪のような犯罪を除けば
①経済的逼迫
②社会的孤立、である。

仕事もなく、収入もなく、また地域から孤立してしまうため、再犯にいたるのである。

しかし、依然として
元受刑者の社会復帰は困難を極める。

元受刑者に対して、社会は「反省」を求める。
「おまえは反省しているのか」と。
しかし、元々、「反省」させるために
懲役刑を科せられたのであって
社会がさらに反省を求める必要はないのである。
求めるのであれば、
それは
「再犯をしないこと」
それと
「健全な社会復帰を果たすこと」である。

さらにまた、
一般的に元受刑者と接することを
避けてしまう。
「一緒にされたくない」わけだ。

心情的にはわかるが、
ホリエモンや厚労省の事務次官で
冤罪のため拘置所での留置経験もある
村木さんも言っていることだが、
受刑者には、
実は「普通の人が多い」。

さらにいえば、私がこれまでにあった
社会復帰した元受刑者の方々のほとんどが
深い人生洞察に満ちている。

しかし、そもそも多くの人が
元受刑者の人格など認めたくないのである。
それゆえ、元受刑者の心情など汲み取る意思もない。

こうしてみると、
元受刑者の社会復帰が困難であること自体
実は人権問題だといってもいいのだが、
社会全般としてそういう認識に乏しい。

現在の犯罪数の6割が再犯によるものだ。
再犯がなくなれば犯罪数は6割減少する。
元受刑者の健全な社会復帰こそが
犯罪抑止力につながり、
社会的リスクと服役のコストを
低減することにつながるのである。

微力ながらこうした活動を九州で展開していきたい。