境界を越えて・・

小さなアメーバから
巨大な銀河まで、
すべてのものに輪郭がある。
他者との境界だ。
それは僕と君とを区別する。

なかにいれば安全だが、
境界線の近くは不安定で危険だ。

前線がぶつかると、
エネルギーが発生し、衝突が起こる。
それでも境界の近くでこそ大きな発見がある。
アイデアが交わり、
知識を得、世界が広がる。

僕は僕だ。
でも境界を広げない限り、
君に近づくことはできない。

境界線を越えてまだ見ぬ地へ、
僕らは向かう。

それはこころの極限、そして魂の淵。
運よく生還できたものは
誰かと運命をともにする意味を知る。

外へ向かう旅も、内なる旅も、
旅はみんな同じだ。

愛する人と未知の体験をし、
それを分かち合う。
たとえどんなに短い旅であったとしても
その濃密な時間は
人と人とを結びつける。

変化を恐れなければ、
きっと旅は新しい道を示してくれるのだ。

*写真の花は「ベラドンナ」
 花言葉「壮大な心」

WEB解析士:田中卓哉

春の恋歌④~ほととぎす~

【春の恋歌④】
~ほととぎす~

いにしえの
 恋歌うたう ほととぎす
君のゆくへを 風にまがえば

「まがえば」は「見失う」の古語
ほととぎすは5月の季語ですが、
追想の暗喩にも使われます。

花橘と対で使われると
ほとんど追想の暗喩ですね。

花橘も追想の暗喩でもあります。
古今和歌集のこの歌が元です。
「五月待つ
 花橘の香をかげば
 昔の人の袖の香ぞする」

この歌をもとにした与謝野晶子の歌がこれです。
「橘も
 恋のうれひも 散りかへば
 春を懐かしみ ほととぎす鳴く」

さすが、与謝野晶子。
古今和歌集の歌を元歌にして
いろっぽい恋歌に仕上がってます。

歌の鑑賞も元歌を知ると
また違った味わいがあります。