Re-Start For Happy Life~元受刑者からの相談①~

キリストは常に罪ある人とともにいた。
そして自ら十字架にあるときでさえ、
罪ある人のために神に祈った。
罪ある人にこそ、
神の愛と赦しが必要だからだろう。

昨日、福岡の元受刑者Aさんから携帯に連絡があった。
私のことをネットで知ったらしい。
マザーハウスなどの活動にも参加しているので
元受刑者の社会復帰支援は、
今後の大きな社会的課題となることは理解している。

Aさんは今年4月に出所して、
今はCAD技術者の資格を取得するため、
職業訓練を受講しているそうだ。
何とか、再起をはかってほしい。
今後も連絡をいれるそうだ。
電話口では「気のいいおっさん」という雰囲気である。
やはり、いろいろと不安らしい。
携帯で話しただけで、まだ会ってはいないが、
いずれ会うことになるだろう。

元受刑者が社会復帰するためには支援が必要だ。
いまは国もそのための支援策を講じている。
「再犯防止推進法」もその一環である。
厚労省事務次官の村木厚子さんも
自ら冤罪で拘置所に拘留された経験から
犯罪者の多くが「普通の人」であり、
社会復帰の困難さから再犯を犯すことを知ったらしく
元受刑者の社会復帰には「支援が必要だ」と
考えるようになったらしい。

このように
元受刑者の健全な社会復帰のためには
「支援」が必要なのだが、
社会的にはその理解も乏しく、
未整備でもある。

なぜ支援が必要かといえば、
元受刑者は数年間は社会から隔離されており、
社会適応力が減退した状態で社会に出てくるからだ。
その状態で社会復帰ができるかというと困難を極める。
結局、社会復帰ができず、
再犯に至るというケースが大部分である。

そうなると社会的リスクは増え、
さらにまた、服役すると
そのコストも1人当たり年間300万円はかかるらしい。

つまり、
元受刑者を社会的に孤立させ、
拒絶することは社会的リスク、
コストを増大させるだけなのである。

そうなると、
やはり重要なのは社会復帰のための支援なのである。

微力ながら、尽力していきたい。

*写真の花はトルコキキョウ
花言葉は「希望」

2点を結ぶ距離

2つの点を結ぶ最短距離、それは直線だ。
でも障害にぶつかり直進できないときは
どうしたらいいのだろう。

川は流れがよどむと進路を変え、
蛇行して流れ始める。

鳥にとってはただの曲線でも、
それは河口に達する最も効果的なルートだ。

どんなに回り道をしたとしても
自然は知っている。
道は必ずあるということを。

出会うべき2つの点が
直線でつながらなくても
宇宙は別の道を探し出す。
出会うべき2つの点を
宇宙は必ず引き合わせる。

望みはないように見えても
絆はつながっている。
人はその絆を糧に
過酷な毎日を生き抜いていく。

宇宙を超え、時を越え、
予想外の進路をたどり道は生まれる。

問題は、
人間がその変化に耐えることができるかどうか。
時として道は
まったく別の方向に進んでいくからだ。

渦からの脱出

1992年、中国からアメリカに向けて
太平洋を航行中の船が
あるコンテナを海に落としてしまった。
中身は2万9000個のゴム製のアヒルで
10か月後最初の一団がアラスカの海岸に流れ着いた。

それ以来、アヒルたちは世界各地で発見された。
ハワイ、南アメリカ、オーストラリア
そして、北極の氷の海。

しかし、そのなかの2000個は
北太平洋還流にのみこまれた。
それは、日本、アラスカ、太平洋岸北西、
アリューシャン列島をめぐる海流の渦だった。

一度、渦にはまると抜け出すことは困難で
ずっと、同じ流れの中を回り続けるしかない。

でも例外はある。

気候の変動や海上の嵐、
鯨の群れなどに出会うと
進路は変わり得る。

迷子になって20年以上たった今でも
アヒルたちは世界中の海岸に漂着し、
渦のなかの数は減り続けている。

脱出は決して不可能ではない。

渦にとらわれて何年経とうと、
陸を目指すことは可能なのだ。