受刑者との文通⑤

30代の受刑者との文通も4通目。
今日、書き終えて、月曜日にも投函する。

残りの刑期4年間をどう過ごすのか。
出所後の目標をもってそのための準備期間として
無駄のないように過ごしてほしい、との旨を書いた。

他に簿記の勉強もしているらしく
まずは簿記3級を目指しているらしい。
わかりづらいそうだ。

自分も税務署の簿記講習を受けているが
ポイントは
①仕分け
②損益計算書
③貸借対照表
以上3点の関係がわかれば、スルッとわかるんだが・・・

その関係を簡単に説明した。

私は基本、受刑者に反省など求めない。
それより、まずは自分を見つめることを求める。
なぜなら、私が知る更生した元受刑者の多くが
深く自分を見つめ、考察しているからだ。

私が求めるのは反省ではなく
自分自身を深く見つめることである。
イメージ的には剪定である。
腐った部分、無駄な部分をそぎ落とし、
自分のコアとなる幹の部分だけを残す。
そして伸びていく方向性を見定め、
それに向かって努力していく、というものである。

この心的プロセスこそ
立ち直りの起点である、と確信している。

受刑者との文通③

受刑者のSくんから2通目の手紙が届いた。
まだ30代前半、満期はまだ先だが、
立ち直りは可能だろう。
そもそもお互い面識もないのに
マザーハウスを通して文通しているのだから
本人はおそらく家族との手紙のやり取りもないのかもしれない。

私のWEB解析士の仕事に興味深々である。
出所後はWEB関連の仕事に従事したいらしい。
どんな勉強をしたらいいのか、
尋ねてきた。

刑務所内でWEB関連の勉強は
机上の書籍でしかできないが
情報処理技術者の資格試験は受験できる。
また、そのための職業訓練もある。

佐賀だと佐賀少年刑務所に天山職業訓練校が併設されている。

ほかにも希望すれば
日商簿記の1級、2級の資格試験も受験できる。

いろんな手立てを講じて
社会復帰のための準備をしておくことが肝要だろう。

将来に希望をもつことは大切だ。
福岡教育大学を出ながら
3回、刑務所に入ったM君がいっていたが
「もう、3回も刑務所に入ると
生きていきたくもないが
死ぬこともできないので
生きているという感じ」になるらしい。

また、中学高校の同級生で
浄土真宗の住職をしているS君もいっていたのだが
彼は教誨師として
佐賀少年刑務所に受刑者に説法をしにいっており、
「満期出所の人は
希望をもっていないんですよね。
刑務所にいた方がよっぽどいいという感じですね」
と話していた。

シンプルに言えば
将来に希望をもって
日々努力する、ことが大切
ということだ。

おそらく希望を持ち続ける勁さというのがあるのだろう。

多くの人が「強さ」を
競争社会で生き抜いていく「強さ」をイメージするだろうが
社会から隔絶され
孤独のうちにいる人においての「強さ」とは
他者との比較の上に成り立つ「強さ」ではなく
希望を持ち続ける「勁さ」である。

満期出所まであと4年ほど。
くじけないで希望を持ち続けてほしい。
その間、支えてあげたい。

受刑者の若者との文通②

北海道の受刑者であるS君への返信をやっと書き終えた。
手紙を書くというのはやっぱりパワーと時間が必要ですね。
今日は午前中空いているので、
こういう時間帯に書かないと、なかなか書けない。

社会復帰に向けて
残りの刑期をどう過ごしていったらいいのか、
それはとても重要なので、
いろいろアドバイスさせていただきました。

社会の中で
「自分が必要とされ、感謝されること」
このことを行動基準におけば
いろいろ困難はあっても
状況は好転していきます。

孤独と絶望の対極にある価値は
愛と希望です。

受刑中であっても
希望の灯を持ち続けてほしいですね